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本質的価値の定義

本質的価値の定義
知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、本年(平成30年)6月19日、均等第1要件にいう「本質的部分」の認定手法を示す判決をしました。「本質的部分」の意味については、いわゆる技術的特徴説(本質的部分説)と技術的思想同一説とが対立していましたが、本判決の考え方は、技術的思想同一説に立ったもので、平成28年のマキサカルシトール事件大合議判決の判示に従ったものといえます。

社会的価値評価とは

NPOやソーシャルビジネスの事業評価を行う場合、従来の経済的価値だけで事業を評価する方法では不十分です。そこで、経済的価値に換算はしにくいが、確かに社会を良くしている価値=社会的価値を評価する方法が社会的価値評価です。
社会的価値評価の特徴は、NPOやソーシャルビジネスが事業で「何を行ったか?(アウトプット)」ではなく、その結果「どのような変化が社会やサービス対象者に起こったのか?(アウトカム)」を明らかにする点にあります。
例えば、就労支援事業を例に考えると、事業者が、就労支援のためのトレーニングを行った回数が「アウトプット(何を行ったか?)」となり、そのトレーニングの結果、参加者が新しい就職先を見付け、収入を得たり、納税できるようになることが、「アウトカム(参加者にどのような変化が起こったのか?)」になります。

「社会を変えるお金」と社会的価値評価

社会的価値評価は、NPOやソーシャルビジネスの事業評価にとって重要なだけでなく、「社会を変えるお金=社会を良くするために提供されるお金」とも大きく関係します。
なぜならば、寄付や投資によって提供された「社会を変えるお金」が、どのように使われ、具体的にどのように社会を変えたのか=社会的価値を明らかにすることは、事業者が説明責任を果たす意味で重要なだけでなく、資金を提供する側(寄付者や投資家)にとっても大きな関心事だからです。
最新の日本の寄付市場の調査結果によると、高額寄付者は、寄付を受ける団体の寄付金使途や事業内容の情報開示、団体の組織的・財務的安定性を重視する傾向が寄付者全体よりも顕著にみられ(寄付白書2013)、同様の傾向は、アメリカの調査結果からも得られています。
この背景には、高額寄付者の多くが会社経営者・役員であることが関係していると考えます。なぜかというと、会社経営者は、会社の経営と同様、自分が寄付するNPOに対しても高いパフォーマンスや成果指標の設定や、それに基づく管理を求める傾向にあるからです。
したがって、NPOが自分たちの事業の社会的価値を明らかにしていくことは、このような高額寄付者へのアプローチを可能にする点でも、NPOのファンドレイジングにとって、今後増々重要になると思います。

社会的価値の評価手法【SROI(Social Return on Investment:社会的投資収益率)】

SROIは、NPOやソーシャルビジネスのパフォーマンスを評価する手法として、1990年代後半に米国の中間支援組織REDF(Roberts Enterprise Development Fund)が開発し、2000年代初頭に英国のシンクタンクnef(new economics foundation)が、それを応用・発展させて現在に至ります。
通常の投資判断に用いられるROI(Return On Investment:投資収益率)は、経済的価値のみで評価するため、NPOやソーシャルビジネスの事業価値を評価し、投資判断を行うのに適しません。そこでSROIでは、経済的価値に加え、社会的価値も含めて評価を行います。 本質的価値の定義
SROIは、事業によって創出される社会的価値を貨幣換算した結果と、その価値を創出するために投じられた費用とを比較することで算出します。

SROIの算出プロセスは次のステップで行います。
① 当該事業の受益者を特定する
まず、当該事業によってもたらされる価値を得ている者(受益者。以下、「ステークホルダー」と呼ぶ)を特定します。特定したステークホルダーは、分析の対象となるだけでなく、②以降に説明する分析プロセスに参画してもらうことで、分析結果の妥当性を高めます。これにはまた、各ステークホルダーの結果に対する納得感を高め、事業の価値の再認識につなげる効果もあります。

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SROI活用事例

現在、SROIの活用は、NPOやソーシャルビジネスに対する投資や融資に留まらず、助成金や寄付の投資対効果を明らかにするために国内外で広がりをみせています。
例えば、英国の保険省は、医療ベンチャーへの助成金支給の条件として、SROIでの社会的インパクト評価を義務づけたり、オランダのノアバー財団でも、助成申請の際、SROI分析をすることが義務づけられています。
日本でも、厚生労働省の福祉プログラムや釧路市の生活保護受給者の自立支援プログラムの効果測定をSROIで行ったり、NPO法人ピース・ウィンズ・ジャパンが実施した、東日本大震災被災地支援活動について、民間寄付がもたらした成果をSROIで評価した事例などがあります。

社会的価値評価を活用した「社会を変えるお金」の新しい流れ

今後、日本においてSROIのような社会的価値評価の活用が進むためには、高い社会的価値を創出するNPOやソーシャルビジネスに対して「社会を変えるお金」が集まる新しい流れを仕組みとして作る必要があります。
そこで最近注目されているのが、欧米を中心に活用が進んでいる社会的価値評価に基づいた官民連携の新しい社会投資スキーム「SIB(Social Inpact Bond)」です。
社会的価値評価は、このような資金循環の仕組みと連動させることで、社会を変える大きな力になると考えます。
次回は、「社会を変えるお金」の流れとして最近世界で注目されている「SIB」について解説したいと思います。

均等第1要件「本質的部分」の認定方法を示した「携帯端末サービスシステム」(アメーバピグ)事件知財高裁判決について

知的財産高等裁判所第1部(高部眞規子裁判長)は、本年(平成30年)6月19日、均等第1要件にいう「本質的部分」の認定手法を示す判決をしました。「本質的部分」の意味については、いわゆる技術的特徴説(本質的部分説)と技術的思想同一説とが対立していましたが、本判決の考え方は、技術的思想同一説に立ったもので、平成28年のマキサカルシトール事件大合議判決の判示に従ったものといえます。

  • 特許法が保護しようとする発明の実質的価値は,従来技術では達成し得なかった技術的課題の解決を実現するための,従来技術に見られない特有の技術的思想に基づく解決手段を,具体的な構成をもって社会に開示した点にある。したがって,特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であると解すべきである。
  • そして,上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて,特許発明の課題及び解決手段とその作用効果を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによって認定されるべきである。すなわち,特許発明の実質的価値は,その技術分野における従来技術と比較した貢献の程度に応じて定められることからすれば,特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載,特に明細書記載の従来技術との比較から認定されるべきである。そして,従来技術と比較して特許発明の貢献の程度が大きいと評価される場合には,特許請求の範囲の記載の一部について,これを上位概念化したものとして認定され,従来技術と比較して特許発明の貢献の程度がそれ程大きくないと評価される場合には,特許請求の範囲の記載とほぼ同義のものとして認定されると解される。
  • ただし,明細書に従来技術が解決できなかった課題として記載されているところが,出願時の従来技術に照らして客観的に見て不十分な場合には,明細書に記載されていない従来技術も参酌して,当該特許発明の従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が認定されるべきである。そのような場合には,特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載のみから認定される場合に比べ,より特許請求の範囲の記載に近接したものとなり,均等が認められる範囲がより狭いものとなると解される。

判決概要(審決概要など)

本質的価値の定義 本質的価値の定義
裁判所 知的財産高等裁判所第1部
判決言渡日 平成30年6月19日
事件番号 平成29年(ネ)第10096号
事件名 損害賠償請求控訴事件
原判決 東京地判平成29年10月30日
平成28年(ワ)第35182号損害賠償請求事件
対象特許 特許第4547077号「携帯端末サービスシステム」
裁判官 裁判長裁判官 高 本質的価値の定義 本質的価値の定義 部 眞規子
裁判官 杉 浦 正 樹
裁判官 片 瀬 亮

特許権侵害とは

特許権の内容と特許権侵害
特許発明の技術的範囲
抗弁の不存在

文言侵害とは

文言侵害と周辺限定主義
文言侵害の認定手法と権利一体の原則(All Element Rule)

このように、全ての構成要件が充足されて初めて侵害を認めるという考え方を、「権利一体の原則」ないし英語で「All Element Rule」と呼びます。

均等侵害とは

米国における均等論の誕生と発展

均等論が最初に採用されたのは、19世紀半ばの米国で、Winans事件判決(Winans v. Denmead, 56 U.S. (15 How) 330 (1853))において米連邦最高裁判所が適用を認めました。もっとも、当時の米国は周辺限定主義が採用されておらず、さらに均等論まで認めると、権利範囲が不明確になり、第三者の事業活動を阻害しかねないとの批判が生じました。

周辺限定主義移行後の米国において均等論が再認識されたのは、1950年のGraver 本質的価値の定義 Tank事件判決でした(Graver Tank v. Lindle Products Co., 339 U.S. 605 (1950))。1853年のWinans事件判決からだと、約100年を要したこととなります。

その後、下級審レベルでは、Hughes判決(1983年)、Kinzenbaw判決(1984年)、Penwalt判決(1987年)など、均等の判断手法をめぐる様々な判決が現れました。主たる争点としては、均等の判断においても構成要件ごとの判断手法を維持するのか(Element by Element アプローチ)、または発明全体の思想を見るのか(Invention As a Whole アプローチ)、そして、出願経過で発明の範囲を減縮する補正がされた場合に、補正によって除外された構成は常に均等の範囲から除外されるのか(Complete Bar)、または補正内容に応じた判断をするのか(Flexible Bar)ということでした。

これらは、日米に共通する均等論の重要論点ですが、これまでのところ、1997年のWarner-Jenkinson判決(Warner-Jenkinson v Hilton Davis Chemical, 520 U.本質的価値の定義 S. 41 (1997))と、2002年のFesto判決(Festo Corp. v. Shoketsu Kinzoku Kogyo Kabushiki Co.本質的価値の定義 , 535 U.S. 722 (本質的価値の定義 2002))が、米国の均等論の到達点を示しているものといえます。すなわち、Warner-Jenkinson判決は、均等侵害においても構成要件ごとの判断を行うという、Element by Element アプローチを採用し、Festo判決は、減縮補正がなされた場合には、均等の範囲から除外されたものと推定されるが、補正時に均等物を包含するクレームをドラフトすることが合理的に期待できないことを証明すれば推定が覆されるという、Complete Bar に近い Flexible Bar の考え方を示しました。

日本における均等論の採用と均等侵害の成立要件
  1. 被告の製品や方法(被告製品等)と特許のクレームとで相違する部分が特許発明の本質的部分ではないこと(非本質的部分)
  2. 相違部分を被告製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであること(置換可能性)
  3. 置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が,対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものであること(置換容易性)
  4. 被告製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に推考できたものではないこと(非容易推考性)
  5. 被告製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないこと(特段の事情の不存在)

本質的部分の考え方を巡る対立

技術的特徴説と技術的思想同一説

技術的特徴説は、本質的部分説とも呼ばれ、構成要件ごとに検討して特定された相違点について、その部分が発明の本質的な部分といえるか否かを考える、という説で、最高裁判所が示した要件の文言に素直な考え方といえます。米国の判例の流れに沿っていえば、Element by Element アプローチを採用するものといえるでしょう。

この考え方は、特定の相違点が本質的部分か否かという問題を直接的な判断対象とするものではないため、最高裁判所が示した第1要件の文言に忠実な理解とは必ずしもいえません。発明全体の技術的思想に基づく判断をする点で、Invention As a Whole アプローチを採用したもので、文言侵害における一般的なクレーム解釈手法からも離れたものとなります。他方で、構成要件ごとの判断は第2、第3要件で行われるため、これらの要件と第1要件との関係はより明確になり、また、技術的思想に基づく判断は、発明の実質に即した柔軟な結論を導くことを可能にするものといえます。

各説の支持状況と従来の裁判例
マキサカルシトール事件知財高裁判決
その後の下級審裁判例
最高裁判所における判断

事案の背景

特許発明と被告システムの構成

特許発明の構成

A 表示部と,電話回線網への通信手段とを備える携帯端末から,前記電話回線網に接続されたデータベースにアクセスすることによって,

B 前記データベースに用意された複数のキャラクターから,表示部に表示すべき気に入ったキャラクターを決定し,その決定したキャラクターを前記表示部にて表示自在となるように構成してある携帯端末サービスシステムであって,

C その決定したキャラクターに応じた情報提供料を通信料に加算する課金手段を備え,

D 前記キャラクターが,複数のパーツを組み合わせて形成するように構成してあり,

E 気に入ったキャラクターを決定するにあたって,前記データベースにアクセスすることによって,複数のパーツ毎に準備された複数のパターンから一つのパターンを選択することにより,少なくとも一つ以上のパーツを気に入ったパーツに決定し,複数のパーツを組み合わせて,気に入ったキャラクターを創作決定する創作決定手段を備え,

F 前記創作決定手段に,前記表示部に仮想モールと,基本パーツを組み合わせてなる基本キャラクターとを表示させ,

G 本質的価値の定義 前記基本キャラクターが,前記仮想モール中に設けられた店にて前記パーツを購入することにより,前記パーツ毎に準備された複数のパターンから一つのパターンを決定し,前記基本キャラクターを気に入ったキャラクターに着せ替える操作により,気に入ったキャラクターを創作決定する着せ替え部を備える

H 携帯端末サービスシステム。

被告システムの構成

a 液晶表示部と,インターネット等の電話回線網への通信手段とを備える携帯電話やスマートフォン等の携帯端末から,インターネットに接続された被告システム中のデータベースにアクセスすることによって,

b データベースに用意された複数のキャラクター(ピグ)から,液晶表示部に表示すべき気に入ったキャラクターを決定し,その決定したキャラクターを液晶表示部にて表示自在となるように構成してある携帯端末サービスシステムであって

c 所定金額の日本円により予め購入した所定量のコインを,決定したキャラクターに応じた情報提供料として支払い,当該所定金額の日本円を携帯端末の通信料に加算する課金手段を備え,

d キャラクターが,複数のパーツ(ピグ自体,顔を構成する目や鼻等,装飾品としての服,めがね,かばん等を含む。)を組み合わせて形成するように構成してあり,

e 気に入ったキャラクター(ピグ,顔を構成する目,鼻,装飾品等としての服,めがね,かばん等を含む。)を決定するに当たって,データベースにアクセスすることによって,複数のパーツ(目,鼻,服,めがね,かばん等を含む。)毎に準備された複数のパターン(形状,大きさ,柄,色等を含む。)から一つのパターンを選択することにより,少なくとも一つ以上のパーツを気に入ったパーツ(例えば,オレンジ色の服)に決定し,複数のパーツを組み合わせて,気に入ったキャラクター(例えば,オレンジ色の服を着た特定の顔のピグ)を創作決定する創作決定手段(システム中に備えられる創作決定手段として機能する部分)を備え,

f 創作決定手段に,液晶表示部に仮想モールと,基本パーツを組み合わせてなる基本キャラクター(例えば,創作決定手段により決定されたオレンジ色の服を着た特定の顔のピグ)とを表示させ,

g 基本キャラクター(例えば,創作決定手段により決定された特定の顔を備え,オレンジ色の服,特定の靴及びめがね等を装着したピグ)が,仮想モール中に設けられた店(例えば,サンリオショップ)にてパーツ(例えば,かばん)を購入することにより,パーツ毎(例えば,かばん毎)に準備された複数のパターン(ハローキティのポシェットやバッグ等)から一つのパターン(例えば,ハローキティのポシェット)を決定し,基本キャラクターを気に入ったキャラクター(ハローキティのポシェットを持った特定の顔及び髪型のピグ)に着せ替える操作により,気に入ったキャラクターを創作決定する着せ替え部(システム中に備えられる着せ替え部として機能する部分)を備える

h 携帯端末サービスシステム

判旨の概要

文言侵害について
均等第1要件の判断手法について

特許法が保護しようとする発明の実質的価値は,従来技術では達成し得なかった技術的課題の解決を実現するための,従来技術に見られない特有の技術的思想に基づく解決手段を,具体的な構成をもって社会に開示した点にある。したがって,特許発明における本質的部分とは,当該特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分であると解すべきである。
そして,上記本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載に基づいて,特許発明の課題及び解決手段とその作用効果を把握した上で,特許発明の特許請求の範囲の記載のうち,従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が何であるかを確定することによって認定されるべきである。すなわち,特許発明の実質的価値は,その技術分野における従来技術と比較した貢献の程度に応じて定められることからすれば,特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載,特に明細書記載の従来技術との比較から認定されるべきである。そして,従来技術と比較して特許発明の貢献の程度が大きいと評価される場合には,特許請求の範囲の記載の一部について,これを上位概念化したものとして認定され,従来技術と比較して特許発明の貢献の程度がそれ程大きくないと評価される場合には,特許請求の範囲の記載とほぼ同義のものとして認定されると解される。
ただし,明細書に従来技術が解決できなかった課題として記載されているところが,出願時の従来技術に照らして客観的に見て不十分な場合には,明細書に記載されていない従来技術も参酌して,当該特許発明の従来技術に見られない特有の技術的思想を構成する特徴的部分が認定されるべきである。そのような場合には,特許発明の本質的部分は,特許請求の範囲及び明細書の記載のみから認定される場合に比べ,より特許請求の範囲の記載に近接したものとなり,均等が認められる範囲がより狭いものとなると解される。

ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

Thnkdifferent_2

たとえそれが、当時の世の中が考える常識から見ると「Different thinking」であるとしても、「これからの世の中は絶対にそうなるよ」と言いたかったのだと思います。だから、このCM(あるいはキャンペーン)のエンドラインは「Think different.」なんですね。

Roomba

ちょっと世界的な事例すぎましたので、こういう話、そないにうまいこと行くかいなと思われてもなんですから、規模的にも身近な私の仕事の例で。

追記:
冒頭の広告依頼の答えですが、たぶん私は「目の前で焼いて、熱々をお出ししています。」というメッセージをこのハンバーグ屋さんにおすすめするでしょうね。価格をきちんと淡々と記載して。その前に、もう少しハンバーグ美味しくならないですかね、とか言うかもしれません。それと、もうひとつの考えとしては、広告とかコミュニケーションの話とは別に、飯屋の本質的価値として、何よりもまず「ごはん」と「味噌汁」が美味しいことというのもあって、だからこそ、長年このお店はそこそこの人気を保っているんだろうな、とも思います。

追記2:
まあ、トラバをもらうなりの強烈なご批判でもなく、私の書いているブランドの定義についての違和感を、つぶやきっぽくおっしゃっていただけだから(参照)、こちらも気にする必要はないんですけどね。参照のリンク先から来られた人のために、一応、元エントリにならってつぶやきっぽく反論。
私は、『双方向に「利益」を生む状態になって初めて「ブランド」』という考え方は取りません。利益を生まなくても「ブランド」は「ブランド」。私は、「ブランド」という言葉の起源に忠実に、固有名を持つものすべてが「ブランド」だと考え、「ブランド」という言葉を使っています。固有名が、何かの閾値を超えると「ブランドになる」という考え方をしません。私の定義では負の「ブランド」も「ブランド」に含みます。だから「ブランド」は管理と軌道修正が必要なんです。
これは言葉の定義や解釈の問題だから、「価値」とか「ブランド」という言葉を「価値あるもの」と「利益を生むブランド」と考えるのは自由だし、そこから理論を展開することも、個別のブランド論としての意味もあるとは思いますし(ブランドを標榜する企業や個人はそこの差で勝負するのだろうし)、そこから先は個別の論の説得性と魅力の問題だろうと思います。ですから、あんたの論はおもろないというのなら何もこちらから言うことはありません。
関連:ブランドって何だろう(3回シリーズになっています)
「名を名乗ってから」うんぬんについては、まあ考え方はいろいろあるでしょうから、そのへんについては読まれた方のそれぞれのご判断にまかせます。

CSVとは?CSRとの違い・企業事例を教えてください。 | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載!

CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!

2006年、マイケル・ポーター教授とハーバードケネディスクールのクレマー上級研究員は、それまでの本業での社会負荷を補うかのような、償いや保険のような受⾝的な活動としてのCSRではなく、戦略的にCSRを位置付けることで競争優位が実現すると主張しました。戦略的に社会問題に取り組むことでその活動を競争優位に結びつけ、企業も社会も双⽅がメリットを享受できると主張したのです。こうした主張は、さらに発展して2011 年、同じく「マイケルポーターとクレマーCSV」という「共通価値を⽣み出す戦略」として定義し直されます。経済的な価値を創出しながら、社会ニーズもそこに取り含み、社会的価値も創造するアプローチであるため、「共通価値の戦略」と名付けられたのです。これらは、今までの「企業の利益と公共の利益はトレード・オフ」(⼀⽅が⽴てばもう⽚⽅が成⽴しないジレンマ)として捉えていた概念を覆すものでした。

CSVの実践と3つの共有価値

では、企業価値と社会価値を両立させるためにどのようなアプローチが必要でしょうか?ここで注目したいポイントは、価値創造について、「短期的な財務指標」などで狭く捉えるのではなく、「⻑期的な成功を左右する様々な分野」(事業に不可⽋な天然資源の枯渇、主要サプライヤーの持続的関係、⽣産や販売を⾏っている地域社会の衰退など)を対象に含めて長期的に視野を広く持ち、共創的に実践すべきという点です。このことにより、より広く社会と経済との共通価値を目指す姿勢から、企業の⽬的を再定義することができます。

  1. 製品と市場を⾒直す。(社会課題の解決、社会ニーズを含んだ製品・サービスを提供)
  2. バリューチェーンの⽣産性を再定義する。(原料調達、加工、販売などの過程で社会問題に取り組む)
  3. ビジネスを営む地域に産業クラスターを開発する。(自己完結するのでなく、支援企業、インフラ、地域への貢献を両立する)
企業の実践事例紹介:ネスレ

株主の皆さまに長期的で持続可能な価値を最大限に創造するためには、株主以外のステークホルダーの皆さまにも価値を創造しなければなりません。ネスレは、コミュニティ、そしてウェルビーイング(心身ともに健康で幸せな状態)に悪い影響を与える事業は社会から支持されないと考えます。共通価値の創造は、ネスレと消費者が良い関係性を保つための助けとなります。(共通価値の創造報告書2018より)

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さいごに CSV立案の課題と3つの潮流

CSVは、企業や組織が⾃らの⽴ち位置を前提として展開していくので、CSR でのISO26000のように社会に共通化された基準に照らし合わせることができません。あくまでも⾃分たちの事業に照らして活動を決めていくことが原則です。また、ネスレなどグローバルに影響⼒を持つ巨⼤企業と比較してしまうと、中小の企業は、どうしても⾃社の製品やサプライチェーンの活動の広がりが限定的で、社会的価値を取り込んでいく視点が見えにくい⾯を持っているのかもしれません。
ただ以下で紹介する今⽇での3つの潮流について理解し、事業と社会価値を関係付けておくことは、「規模は小さくても今後の経済・社会での予測できない大きな変化にも自らで成功を引き出す状況を作り上げる(World in the making)」という観点から意味があるかもしれません。

1) SDGs

持続可能な開発⽬標SDGs(Sustainable development Goal)は、ミレニアム開発⽬標(MDGs)の後継として、2015 年9 ⽉の国連サミットで採択された2030 年までの国際⽬標です。貧困、飢饉、エネルギー、経済成⻑と雇⽤、教育など様々なテーマについて、持続可能な世界を実現するための目標を掲げています。SDGs はそれまで対⽴していた発展途上国も先進国も共通して取り組むユニバーサル(普遍的)な⽬標であり、⽇本としても官公庁だけではなく、経団連などの経済団体、NGO,NPO など幅広い組織で積極的に取り組まれています。参画することで、「共通の価値」に向けて広がりのある活動への参加が可能と⾔えます。

2) サーキュラー・エコノミー

地球環境の限界に対して3Rなど環境配慮型のビジネスは、社会外負担の減少として廃棄アウトプットの軽減を⽬指しています。それも⼤事なのですが、さらに重要な発想があります。それは、デ・カップリングという「経済成⻑と資源消費を切り離し、現存の天然資源での負荷を伴わない経済活動」へと転換していく発想です。使⽤済の廃棄物の⾼度多様化再利⽤によって無駄(廃棄物)を富(資源)に変換し、資源インプットを増⼤させていくことで経済成⻑も、もたらしていこうという考え⽅です。それが、「サーキュラー・エコノミー」という大きな循環型の経済システムとして、注目を集めています。⽇本でも、2018 年には「世界循環経済フォーラム2018」がフィンランド・イノベーション基⾦(SITRA)との共催として横浜で開催され、国際的な議論が⾏われました。

3)デジタル経済とSociety5.0

さらには、今日注目される点でデジタルトランスフォーメーションの潮流が挙げられます。例えば、「情報通報通信白書」では、情報コミュニケーション技術(ICT)を介したデジタル経済の進化の先にある社会として経済発展だけではなく社会課題の解決の両⽴が目指されたSociety5.0 を展望しています。少し難しいお話ですが、これから先端デジタル技術によるデジタル経済は、あらゆる情報がデジタル・データ化(データの⽣成、収集、蓄積、処理、分析、利⽤)され、サイバー空間と物理世界が⾼度に融合した「サイバーフィジカルシステム」として今までにない現実の実現が予想されています。
そこでは、経済活動でのコスト構造(取引コスト)が劇的に変⾰され、社会課題を共有しあい、相互にやりとりする様々な個々人のネットワーク・コミュニティ(シェアリングエコノミー、ギグエコノミーなど)が生まれています。この結果として、今までの時間、場所、規模などの制約でできなかった経済活動や社会活動が低コストで、しかもネットワーク力を介して幅広く展開することが可能となってきます。今⽇では先端デジタル技術により、スマートフォンを介した優れた⾦融送⾦システムや農業監視システムが発展途上国での経済活動を⾼め、同時に社会的課題を解決するなど、先端技術により⼈と企業や社会間のあり⽅がどんどん再びつくり直されているのです。先端デジタル技術はセキュリティ確保、個人情報の保護など多くの課題を持つものですが、企業や組織にとっては社会との共通価値を実現する大きなきっかけをもたらす取り組みとも言えるのです。

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出典:「令和元年版情報通信白書の概要 - 総務省」より
(図はクリックすると拡大します。)

  • 日本の企業では、どのような展開がCSVとして注目されるのですか?
  • ネスレ│社会課題を事業の機会と捉え、CSVに取り組む【前編】
  • ネスレ|地域社会やバリューチェーンと展開する"共通価値の創造" 【後編】
  • NPOと協働でCSVに取り組むメリット -製品・サービスの提供-
  • NPOと協働でCSVに取り組むメリット -バリューチェーンの競争力強化と社会への貢献の両立-
  • NPOと協働でCSVに取り組むメリット -地域クラスター形成とイノベーション創出の仕組みづくり-
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執筆者プロフィール(執筆時点)

森 一彦 (もり かずひこ)氏
関西学院大学専門職大学院
経営戦略研究科 教授

オープンイノベーションとは何か?今、あらためて問われる本質的な価値

オープンイノベーションという言葉自体は、2003年にカリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスのヘンリー W. チェスブロウ教授が書籍『Open Innovation -The New Imperative for Creating and Profiting from Technology』において言及したことが名前の由来とされている。同氏は、本書の中でオープンイノベーションについて以下のように定義している。

オープンイノベーションとは、 組織内部のイノベーションを促進するために、 意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果、組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである。


eiicon代表 中村亜由子氏

上述の通り、オープンイノベーションは米国発祥の概念であり、チェスブロウ氏による定義づけがなされた後、2005年に「Y Combinator」がスタートしたといわれるアクセラレータープログラムなどと密接に絡まり拡がっていった。国内においては、2008年頃にオープンイノベーションの概念が持ち込まれ、2010年以降、デジタルガレージの「Open 本質的価値の定義 Network Lab」やKDDIの「KDDI ∞ Labo」などがパイオニアとして立ち、日本に広がっていった経緯がある。

オープンイノベーションを通じて得られる具体的なメリット


ニューロスペース代表取締役 小林孝徳氏

加えて、オープンイノベーションは大手企業の変革にとっても有効な手法である。パナソニック アプライアンス社Game Changer Catapult代表の深田昌則氏(以下、深田氏)は、オープンイノベーションが事業会社の経営に与えるメリットについて、「Unlearn(アンラーン)」というキーワードを用いて次のように語った。


Game Changer Catapult代表 深田昌則氏

オープンイノベーションに対する「本気の覚悟」

「Cerevoの創業者である岩佐氏は、元々はパナソニックの社員であり、一度は同社を飛び出し、スタートアップ企業を立ち上げた国内におけるハードウェアスタートアップ経営者の草分け的存在なのですが、パナソニックから請われ、同社に出戻りを決めました。現在、岩佐氏はパナソニックの100%となったShiftallの代表取締役を務められています。また、前述のGame Changer Catapultのメンバーの方々も同じ社内でイノベーションを創出する部署として、Shiftallとも適宜、連携をされているそうです」

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