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トレーダーの意識も考えよう

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家計

テクノロジーの力で企業活動とサステナビリティをトレードオンにできれば、大きな成長ドライバーに【前編】

時田: 1つは「コンピューティングテクノロジー」です。特に当社は、スーパーコンピュータ「富岳」を開発した企業ということもあり、当社に対するハイパフォーマンスなコンピューティングパワーへの期待が一層高まっていくとことを感じています。膨大なデータを高速に処理し、予測、予防につなげるには不可欠な技術です。人工知能(AI)が当たり前の技術となり、さらに進化していく上でもコンピューティングパワーが重要で、量子コンピューティングの実用化に向けて世界中が走り始めています。

富士通 代表取締役社長 時田 隆仁 氏

SXとDXは手に手を取りながら進めていく

坂野:新たなテクノロジーによって実現されるヒューマンセントリックな社会とは、具体的にはどのようなものでしょうか。

時田:例えば、日本では人口が減り、高齢化が進んでいますが、これを止めるのは非常に難しい。そういう中で、ウェルビーイングが高い暮らし、安心・安全な社会を実現していくには、さまざまな場面で自動化を進めざるを得ません。ビジネスでも、単純な作業は機械やAIに任せれば、人は次なる未来を描くような付加価値の高い仕事に集中できるようになります。

坂野:テクノロジーの力によって人が単純作業から解放される社会と、サステナブルな社会は、時田社長が描く未来像ではどのようにリンクしているのでしょうか。

時田:サステナビリティに対する意識は世界中で高まっており、あらゆる企業活動に大きな影響をもたらしています。私たち企業人も、サステナビリティを一個人として捉え直し、行動に移していかなければなりません。

磯貝:私たちは、それを「トレードオフからトレードオンへの転換」と言っています。これまで企業は、安くて良いものを大量に速くお客様に届けるために、環境を破壊したり、途上国の労働力を安く使ったり、外部不経済を拡大させてきました。

時田:ある飲料メーカーでは、原材料を獲得する段階から、製品を生産して、消費者の手に届けるまでサプライチェーン全体でのトレーサビリティをしっかりと担保する仕組みを作り上げています。原材料がどこで、誰によってどのように作られ、どのようなルートで輸送されたのかなど、原材料を含めて安心・安全であることが可視化されています。

PwC Japanグループ サステナビリティ・センター・オブ・エクセレンス エグゼクティブリード 坂野 俊哉

財務指標と非財務指標をつなげるシステムの構築を目指す

磯貝:BtoC企業は消費者の意識や価値観の変化、不安や不満がビジネスに直結しますから、変化に対して敏感です。そのため、サステナビリティについても、比較的動きが速いと言えますが、BtoB企業は動きが遅くなりがちでした。ただ、最近は顧客であるBtoC企業を通じて、消費者の変化、あるいは消費者からのプレッシャーを感じ取るBtoB企業も増えています。

時田:当社もそうですが、消費者の変化に対する感度が鈍いのがBtoB企業の弱点です。そこをどう乗り越えるかは大きな課題だと認識しています。

磯貝:その課題をどのように乗り越えていくお考えですか。

時田:まずは私たち自身の行動を変える必要があります。BtoB企業だからといって、顧客企業の人たちとしか会話をしないというのではなくて、社会の一員としてコミュニティに積極的に入っていき、直接コミュニケーションを取っていく。そういうことが大事だと思います。

坂野:私たちPwCのプロジェクトでも最近増えているのが、BtoB企業の方たちが消費者目線で変化を予測し、そこから顧客であるBtoC企業がどう変わっていくのかを推測して、自分たちの製品やサービスを変えていくというものです。

時田:消費者の声を「見える化」することは重要です。2020年にスタートさせた全社DXプロジェクト「富士通トランスフォーメーション」(通称:フジトラ)では、「VOICE」という仕組みを使って、顧客や従業員の声を収集しています。

磯貝:サステナビリティ関連の取り組みでも活用できますか。

時田:従業員のエンゲージメントサーベイや顧客ネット・プロモーター・スコア(NPS)の調査にもVOICEを使っています。富士通では、サステナビリティ経営の非財務指標として、従業員エンゲージメントとNPSを設定しています。そして、「グローバルレスポンシブルビジネス」と呼ぶ7つの重要課題、すなわち「人権・D&I(ダイバーシティ・アンド・インクルージョン)」「ウェルビーイング」「環境」などについて、課題別にパフォーマンスデータを集計できるようにしています。

家計に対する意識が変わる「トレードオフ」の考え方

家計

そして、その大きなカギとなるのが「トレードオフ」です。今回は家計のみならず人生の選択にも役に立つトレードオフの考え方をお伝えします。

意識的な選択のために知っておくべき経済の基本概念

経済学の基本としてよく語られる概念にはトレードオフのほかにもうひとつ「希少性」というものがあります。

経済において、希少性というものがあるためにあらゆる経済現象が引き起こされます。物事を「選択」するというのもそのひとつ。その選択において「トレードオフ」という経済現象があるのです。

希少性から選択の問題が生まれる

希少性とは、 あるものごとに関して「人間の欲望に比べて相対的に利用可能な資源が少ない」という性質にあること をさします。

そして、この希少性によって私たちは「選択」というものを余儀なくされるのです。

希少性と選択

多くの選択は何かを得れば何かを失うトレードオフの関係である

トレードオフ

何かを選択することは別の何かを選択しないことである、もしくは選択によって利益を得ることは他の選択で得られる利益を失うという考え方 を「トレードオフ」といいます。

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